1969年、文京区で生まれ、そして育ってきた私にとって、ここは父との別れの地でもあります。
　難病指定であるパーキンソン病を患った父は7年間の闘病の末、旅立っていきました。その間、病院での治療、介護施設での生活と移っていきましたが、住み慣れた自宅から離れ、次第に弱る父。いつも通りの日常を取り戻したいと願っても、非日常である病棟や施設での生活の中では叶わないことも多く、自分自身どこか悲しい毎日を送っていたと思います。私が訪問看護に出会ったのはその頃でした。「自宅で過ごしたくてもなかなか難しい」そのような気持ちを抱く闘病中の家族が多いという事を知り、自分の現状と重ねたこともあり何とか力になりたいと感じました。在宅での生活に何か貢献できることはないのかと考えた自分は、2016年、インテンドを起業しました。
　その後、父の闘病に訪問看護を導入し、「やっぱり落ち着くな」という言葉を父が呟いた時、企業としての使命感が一層増したことは今でも忘れられない体験です。
　国を挙げて在宅介護を推奨する今こそ、それを支える企業が必要であると考えます。私は、まずはこの生まれ育った土地である文京区から、貢献していきたい。自宅での生活を続けるために介護、看護や医療のサービスを選択肢の一つとして、より明るい未来を築けるように責任感のある運営を心掛けております。
　これまで私を支えてくれた文京区行政のみなさま、医療関係者のみなさま、並びにスタッフ、そして何より家族、起業のきっかけをくれた父に感謝の意を述べさせていただきます。